お知らせ
心の安定は「腸で」つくられる?
2025.06.07

お腹の調子と不安感の関係
こんにちは、wat51木村です。
今回は、高校生の患者さんのお話から、
「心の安定と腸のつながり」について少しご紹介したいと思います。
回復に向けて、一つの考え方として参考になれば幸いです。
筋トレをがんばっても、お腹は弱いまま…
彼は、ご紹介で来院された高校生。
見た目には体もガッチリして、筋トレも習慣にしていて体もしっかりしています。
でも…
・お腹の調子が悪くなりやすい
・外出前にトイレに行きたくなる
・動悸や不安感が急に強くなる
という症状に悩んでいて、心療内科へ。
そこで処方された薬を飲んでも、なかなか改善がみられない状態でした。
精神的なもの? でも、それだけじゃない
このケース、実はとても多くて誰にでも起こる問題です。
「気持ちの問題かな?」
「もっとメンタルを強くしないとダメなのかな?」
「性格的なもの?」
そう思ってしまいがちですが、こうした症状の背景には、腸の働きが関係していることがとても多い。
心の安定を保つホルモン=セロトニン
あくまでも生理学的なお話ですが、私たちの心のバランスには、主に3つの脳内ホルモンが関係しています。
① ノルアドレナリン
緊張、不安、ストレスに反応する
② ドーパミン
やる気・喜び・ご褒美のような快楽に関係
③ セロトニン
上の2つを調整して、心の安定・安心感をもたらすホルモンで、このセロトニンの働きがうまくいかないと、気分が不安定になりやすくなります。
セロトニンの90%は腸でつくられている?
意外かもしれませんが、この大切なセロトニン、脳ではほとんど作られていません。
90%が腸でつくられ、そこから脳に届いて、心の安定に関わっているんですね。
だから腸内環境が乱れると…
・不安感が強くなる
・気持ちが沈みやすくなる
・動悸、緊張、落ち着かない
といった症状に、つながりやすくなります。
「脳腸相関」という考え方
腸と脳は、自律神経というケーブルでしっかりつながっていて、この関係性は「脳腸相関(のうちょうそうかん)」とも呼ばれています。
・緊張するとお腹が痛くなる
・下痢や便秘がメンタルに影響する
こうした経験、ありませんか?
だから心と体は分けて考えられないということなんですね。
お腹の状態が、心の安定に大きく影響する。
でも腹痛や下痢だけをアンテナにしないでくださいね。
HSP・繊細気質も腸がカギかも?
HSP(繊細さん)も気質だから仕方ないとだけで片づけるのではなく、腸内環境が影響して感受性が高くなっているケースもあると、私は経験上そう感じています。
腸活は発酵食品を食べればOKじゃない
「腸活しなきゃ!」と思って、ヨーグルトや発酵食品をたくさん食べる人もいますが、実はそれ半分…不正解。
腸内環境は人それぞれ(合うあわない)
お腹によいとされる食品でも、合わない人もいるということ。
情報に振り回されず、自分に合う方法を知って試すことが大切で、ネット情報を鵜呑みにせず、身体の声を聞くことも大切にしてほしいなと思います。
薬で変わらないときは「腸」も見直してみる
心療内科で薬を処方されても、変化が感じられないとき、それは薬だけのアプローチでは足りないサインかもしれませんね。
心と体、そのどちらもが影響しあって今の状態をつくっています。
だからこそ、「体からも整える」という視点を持つことで、心の不安定さがやわらぐケースも本当に沢山あります。
「心の不調=メンタル」だけではない。
そんな視点がもっと広がってほしいと感じています。
3回の施術を終えて
まず動悸が出なくなりました。
自然と笑顔が増え、会話でも声のトーンがあがりました。
表情だけでなく、声という部分でも実は自律神経が大きく関わります。
一歩ずつ回復へ向かって全力でサポートしたいと思います。
お困りごと、お気軽にご相談ください。
人気の記事
自律神経がご機嫌な日って、どんな日?
2025.06.15
【01】感受性と過敏のお話
2025.06.11
春の動悸、お腹の調子、メンタルの波。実は…
2025.06.02
「三つ子の魂」と安心の土台
2025.06.01